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悪人の描写が巧みすぎる!!

 

『後妻業』がなかなかおもしろい作品でした。

遺産を狙った結婚詐欺を組織的に行う悪人達と遺族、探偵が入り乱れる作品なんですが...

かなり内容はヘビーなのに軽く読めてしまうという不思議な一冊。

 

なぜ悪人を描いた作品はこうも人を惹きつけるのでしょうか?

ちょっと闇を覗き見する気持ちでしたが、ページをめくるごとにどんどん深淵へといざなわれ...

直木賞作家である黒川博行著『後妻業』の感想を書いていきます。

後妻業とは

“財産目当て”で高齢男性を狙い、入籍あるいは内縁関係になったあと、遺産を根こそぎ狙うやり方

PRESIDENT Onlineより

 

あの事件を題材に小説化したのか...えっあの事件の前に出版!?

この作品が世に出て間もなく大阪で筧千佐子という女が、何人もの老人の後妻に入って、その老人たちが死んでいくという事件が世間を
騒がせることになる。普通実際に起きた事件を参考に小説が書かれるということはよくあるが、これほど犯罪の実態を調べつくした作品の
後に、そういった犯罪が実際に世間に晒されるということはそうあることではない。

Amazonレビューより

記憶に薄っすら残っている人もいるかもしれませんが関西で連続"後妻業"事件がありました。

いたって普通な高齢女性が資産家の高齢男性を次々と手玉に取り遺産をふんだくっていたということで当時はマスコミが連日報道していました。

 

あ~あの事件が題材になっているのかと思ったら、この小説のほうが先に出版されていると聞くから驚きです。

”後妻業”という言葉が浸透したのもこの小説からだそう。

 

巧みすぎる悪人の心理描写

本書を読んでいて驚くのは悪人の思考回路を完全再現している点です。

筆者黒川博行氏が後妻業のプロでなければ書けないようなリアルな描写が多数。

黒川氏の友人に起こった出来事を元に作ったということで物語のディティールがしっかりしていることは納得です。

ただそれ以上に黒川氏の取材力の高さには凄まじいものがありますね。

 

小夜子の悪びれもなくサクッと人を殺す感じが非常に恐ろしい...それでいてリアル...

 

後妻業の手引書なのかと思うほどやり方は詳細に記述

この本の中では後妻業の手口が詳細に語られています。

「籍を入れずに公正証書遺言を書かせる」だとか「住民票を移して狙った相手と同居している形をとる」だとか「町内会に顔を出して妻だとアピールする」など...テクニックが満載。

後妻業のバイブルと言っても過言じゃないですね。

後妻業というものがどういうやり方で行われるのか詳細に書かれているので物語のリアルさが増します。

ゾッとした人も多かったんではないでしょうか。

逆に手口がわかれば気づける人もいると思うので人生100年時代に読んでおきたい本として推薦しておきます。

 

結末は...えっ終わり?

後半100ページはまるでジェットコースターのようにあっという間に読み終わりました。

400ページを超える大作ではあるものの、特別なオチみたいなものは用意されていませんでした。

この物語の顛末はいかに!?とドキドキしながら読み進めているとなんのドラマもなく小夜子が死んでしまいます。

そして悪の権化である柏木(結婚相談所経営者、後妻業を斡旋していた)もフワッと捕まります。

”肝心の遺産は遺族に戻るのが難しいだろう”というなんとも後味の悪い結末で幕を下ろします。

なんとも腑に落ちないモヤっとした終わり方が物語のリアリティーを高める結果に...

 

後妻業というタイトルに込められた意味

後妻業というのは妻に先立たれた独身男性の後妻になることを生業にするということなんですが...

行為、所作、意志による身心の活動、意志による身心の生活を意味する語。仏教およびインドの多くの宗教の説では、善または悪の業を作ると、因果の道理によってそれ相応の楽または苦の報い(果報)が生じるとされる

Wikipediaより

仏教の意味での業とかかっていると思います。

人の業の深さ...それを見れる良い小説でした。

 

エンターテイメントとしての『後妻業』の素晴らしさ

なんだかんだあっという間に読み終わってしまいました。

遺産を争うドロドロものになるのかと思いきや遺族は後半ほとんど登場しません。

依頼した探偵がドンドン深堀していき小夜子の過去が暴かれます。

 

読み進めるたびにページをめくりたいという思いが強くなり、最後は止まりませんでした。

娯楽小説としては一級品だと思います。

スピード感となんとも言えない不思議な読後感。

恐ろしい世界を覗き見たというドキドキ感が最高にエンターテイメント!!

 

『後妻業』書評まとめ

とにかく全高齢男性に今すぐ読んでいただきたい。

本の内容は興味深くおもしろいものでした。

登場人物全員が息をしているかのようなリアリティはさすがの一言。

頭の悪い人物と頭のキレる人物の描き分けはみごとです。

 

ドラマ化予定ということでどんなドラマになるのかにも注目ですね。

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