
目次
62点
めちゃめちゃ期待して見に行った『十二人の死にたい子どもたち』...
ですが残念なことに期待を大きく下回る結果に。
この作品の感想とイケてない部分を正直に書きました。
ここから先はネタバレ以外の何物でもありません。
ネタバレなしの雑感は別記事に書いているので見視聴の方はそちらをどうぞ
[box class="box28" title="参考"]【ネタバレなし】映画『十二人の死にたい子供たち』感想。映画館でガッカリしないために知っておいて欲しいこと[/box]
あらすじ、CMなどプロモーションが釣りっぽい
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その日12人の未成年者たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」ところが、彼らはそこで13人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々起こる奇妙な出来事。彼らだけしか知らない計画のはず。
まさかこの12人の中に殺人鬼が...?
死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソとダマしあいが交錯し、12人の死にたい理由が生々しくえぐられていく。
全員、ヤバい。気が抜けない。
いつ誰が殺人鬼に変身するのか!?パニックは最高潮に。彼らは安心して”死ねるのか”怯えながら"殺されるのか"
こんなん絶対見るしかないやん!!
知的なデスゲームかと思ってワクワクして見に行ったら中身は感動ものでした。
うーん。見に行った人は騙された感が強かったんじゃないかな...
これだけで満足度がグッと下がってしまった。見に行ってるんだから制作側の勝利ともいえるけど。
堤幸彦×若手豪華俳優陣による未体験リアルタイム型・密室サスペンスゲームを是非劇場でご堪能ください!
なんてホームページにでかでかと書いてあるけど言うほど密室か?
ストーリーが美しくまとまりすぎている
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映画『十二人の死にたい子どもたち』はそもそも冲方丁さんの小説が原作。美しすぎるストーリーだったと思います。
- あるはずのない13人目の死体ってどうせ生きてるパターンでしょ→生きてた!!
- 主催者はどうせ何度かこれやってるでしょ→やってた!!
お、おう。
全てが予想の範囲内で展開していて驚きがなかったです。
それぞれの思惑が絡んでいき一見奇怪なことが起こるっていうのはきれいなストーリーではあるけれど...
ストーリーがきれいにまとまっていたのでついて来れなかったって人は少なそうです。単純明快な種明かしで多くの人が理解はできたはず。
なにも起きない
結局のところこの映画内では何も起きないんですよね。
強いて言えば13人目の死体があらわれたってことが起こったくらい。それが全てなんですよね。
あとはそれを軸に考察が進み、考察が進むにつれキャラクターが持つ闇が明かされていく。
上映時間118分なので、もっとなにかが起こる必要があったと思います。
映画と小説は全く別のエンターテイメントなんだな。
40分長回しはこのキャスト、監督でもきつい
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新田真剣佑さんのインタビューより
映画『十二人の死にたい子どもたち』はどんな映画に仕上がっていますか?
“顔面アクション映画”だよね(笑)。これほどアップが多い作品は初めてでした。
とにかくキャストの画力がえげつなかった。
先ほど書いたように状況が変わらないのですがキャスト陣の考察のみでほとんどの時間をカバーするという凄さ。
堤監督のキレのあるカットとキャスト陣の確かな演技力...素晴らしいものがあります。
それでも長回し40分のシーンでは映画の没入から何度か離脱してしましました。状況が二転三転し色々なことが起こっていれば成立したと思いますが、キャスト、監督のマンパワーでもってくのは無理があったかなと
テーマは頭が下がるレベルで素晴らしい
見ず知らずのひととでも、どこかの世界とつながりたい。21世紀の若者たちの希求を、これほど切実に浮き彫りにした映画をわたしは知らない。死に向き合うほどに生が見えてくる。これは、とても生き生きとした青春映画だ。
相田冬二(映画評論家)
「若い奴らの狂気のデスゲームが見たい」と思っていた自分が恥ずかしくなるほど、この映画のテーマは素晴らしいです。
そもそもなんで自殺したい若者が集まる必要があるんですか?死にたいなら一人で死ぬこともできる。でもそれではダメなんです。若者全員が人生に絶望しながらもどこかに希望を求めている...
だからこそ、この12人は集まった。
そして他者との関りを通じて前を向いて生きていこうと誓う。
若者の死生観、他者とのつながり...
ぐうの音もでない美しいテーマじゃないですか。
そういった意味では一見の価値ありです。
映画『十二人の死にたい子どもたち』感想まとめ
テーマもいいしキャストも監督もいい。ストーリーは小説原作で散りばめられた伏線や緻密に練られたキャラクターは圧巻。
それでもなんだか物足りない。そんな映画です。
新田真剣佑さん、高杉真宙さん目当てで見に行った女子高生が、「めっちゃいい話。おもしろかった」ってTwitterでつぶやくような映画になってしまっています。
もっと見た後語りたくなるような、もっと考えこみたくなるような...そんな仕掛けがあったらと思わずにはいられません(そんな魔法はない)。
映画としてもっとエンタメであったなら180度評価は変わっていたと思います。なんか非常に惜しい映画でしたね。