
2019年7月からムロツヨシさんと古田新太さんのダブル主演でドラマ化する『I・TURNアイターン』のネタバレをしていきます。
このドラマの原作となっている『Iターン』を読んでいた時は第1章で主人公の狛江が泥沼に嵌っていく光景のせいでなんだかこっちも暗い気持ちになりました。
しかし第2章、第3章とどん底から這い上がることはおろか、ドンドン下に下がっていきます笑
そして最後の4章ではそんな不幸のループを断ち切ることが出来るのか?
一体どんな逆襲を見せるのか?
途中で狛江の気持ちや性格が変わっていくので爽快感が分かりやすいと思います。
気になると思うのでじっくり読んで行って下さい。
2019年6月6日には待望の続編も出て波に乗る『I・TURNアイターン』の波に乗り遅れるな!!

『I・TURNアイターン』基本情報
初回放送:2019年7月クール(未定)
放送時間:毎週金曜深夜0時12分~
公式ホームページ:リンク
fa-twitter公式twitter:@tx_Iturn
fa-camera-retro公式インスタ:無し
キャスト
- ムロツヨシ-狛江光雄役
- 古田新太-岩切猛役
- 田中圭-竜崎剣司役
- 渡辺大知-柳直樹役
- 鈴木愛理-吉村美月役
- 毎熊克哉-桜井勇一役
- 塚原大助-西尾誠次役
- 菊池均也-牛窪克弥役
- 森羅万象-伊丹義三役
- 未定:土屋
【ネタバレ】結末まで詳しく解説!!
サラリーマンの世知辛い運命
主人公の狛江は47歳になって初めての単身赴任をすることになる。
これまで会社では優秀な成績を収めている訳ではないが、コツコツと積み上げてきたが経営不振になり社員3人の弱小支店の支店長として転勤が決まったのだ。
栄転という形だが支店ごと人員を排除しようというものだった。
同期の高峰は同族会社の副社長の娘と結婚し急に部長に昇進する。
高峰や会社の上層部は自分たちの保身のために社員の首を切りにかかっているのだ。
このご時世で47歳の狛江には再就職は難しく、2人の子供を持ち住宅ローンまで抱える男として絶対に退職するわけにはいかず死ぬ気で仕事をするしかない。
阿修羅支店の社員には期待できない・・・
狛江が配属された阿修羅支店は過去4年で3人も支店長が退職していたのだ。
それを知った狛江はめぼしいクライアントを探すが、本社とは違い田舎にあるため主な取引先は中小企業だった。
唯一の営業である柳も田舎だから仕方がないと諦めた節があり、仕事熱心とは言えない男だった。
事務の美月は愛想が良い事務員で癒しではあったが、どこか魔の抜けたマイペースな女の子だった。
自分でやるしかないと考えた狛江は、馴れ合いになった業者の見直しや新規の営業で売り上げアップを図ろうとする。
特にクオリティが低い土屋印刷は多少の無理が利く先でこれまで懇意にしてきたようだったが、取引を解消することを決める。
ヤクザの舎弟に!?
土屋印刷の社長は狛江の務める広告代理店が主要な取引先であったため菓子折りを持って毎日足しげく会社を訪れていた。
もちろん狛江は、就任早々に取引先を解消したことに部下の2人からは白い目を向けられていた。
そんな時に金融業を営むドラゴンファイナンスに呼ばれ至急チラシを刷ってほしいという注文がある。
事務所に戻ると土屋がおり、目障りだったことや部下の手前もあり注文を発注して釘をさす。
「これが最後の仕事だからね。納品が終わったら、うちにはもう出入りしないで。」
Iターンp32
数日後、ドラゴンファイナンスの社長である竜崎から呼び出されチラシの誤植を指摘される。
電話番号が間違えていたから売り上げが上がらなかったと損害賠償金200万円+300万円の仕事を吹っかけられる。
このドラゴンファイナンスの竜崎はヤクザの組長だったのだ・・・
会社にミスがバレルと首確実の現状なだけに、狛江は何とかキャッシングと借り入れで200万円を用立てミスを帳消しにするはずだった・・・
そして翌日、会社に行くと今度は風俗店を営む岩切という男が現れ金融の電話が鳴りっぱなしで営業妨害だと300万円を請求してくる。
関係ないと言いたいところだが、連れの西尾をボコボコにしだしたのだ・・・
完全に堅気の人間ではないと感じたとおり、この岩切という男もヤクザの組長で何をしでかすか分からない男だった。
竜崎よりも岩切のが怖いってことですね~
300万を用立てることが出来ず、サラ金である竜崎に相談することにした。
竜崎は即答で断るが、岩切に返さないと命がヤバいと伝えると自分の300万の仕事もあるから貸してやるとバックごと渡される。
待ち合わせ場所に到着した狛江はバックの中身を最終確認すると白い粉のようなものが入っており、お金とは関係ないとポケットにしまう。
そして岩切にバッグごと渡した瞬間にパンチパーマの警察が現れ荷物検査を始める。
とっさに白い粉が違法薬物だと気が付き事なきを得るが、岩切激高し竜崎の元に2人で乗り込むことに・・・
そこには藤堂という若頭筆頭がいて、岩切も怒りのままに動くことが出来なかった。
竜崎は証拠を残していないため水掛け論になり狛江を置いて行けと岩切に命令する。
岩切と竜崎は因縁があるらしく言うことおどうしても聞きたくないため狛江を舎弟だと酒を交わしだしたのだ。
岩切の舎弟になり命令に従う狛江に竜崎は釘をさす。
「狛江、おまえも覚悟しろ。」
Iターンp98
敵はヤクザだけじゃない?
絶体絶命のピンチだが、警察沙汰になると退職+離婚が待っていると考えた狛江は生きた心地がしなかった。
そんな状況でも部長の高峰から丸越の営業を焚き付けられる。
深町という相手の部長に副社長のコネがあると言っていたが、接待費をくすねとられて商談は終わってしまう。
自分ではダメだと柳をさしむけるが結果は同じだった。
そのころ岩切から竜崎の分も含めた600万の返済を求められ拒絶すると、拉致られベーリング海峡の蟹取り業でお金を返せと言われる。
そんなことでは人生が終わると考えた狛江は、後一回接待できれば丸紅のキックバックで定期的に大きなお金を返していけると説得する。
岩切は接待の場所を指定し解放してくれ、なんとか命拾いをする。
接待の2次会で岩切指定のスナックに連れて行くと深町は眠ってしまいホステスから帰れと指示を受け退散した。
2日後に深町から呼び出され仕事を任されることになる。
岩切に事情を聴くとラブホテルの一室で深町があられもない姿になっている写真や動画を見せられた。
営業を取るために犯罪にまで手を出したのだ・・・
そして岩切から毎週金曜日の夜に当番という名の見張りに来るように命じられる・・・
会社に安息の時間はない
当番で岩切の事務所に訪れると仲間がいた。
- 礼儀正しい二十代の桜井
- 気弱な中年男で半年前からの加入の牛窪
- かつてはどこかの組でナンバー2まで務めたことのある初老の伊丹
最初は金曜日の夜という休息の時間をとられるのが嫌だった狛江だったが、当番では特にすることもなく
伊丹以外の2人は快く迎え入れてくれたおかげで悪くない時間だと思うようになる。
狛江は高峰に丸紅のことを報告すると、次は東亜銀行を落として来いと命令される。
丸紅と契約をとらないと首にするという話だったが、次は東亜銀行をとらないと首にするというのだ・・・
もちろん言われるままに東亜銀行の支店長である瀬戸川の元に向かったが副社長のコネなどなんの足しにもならず、門前払いに会ってしまう。
首になるならどんな手を使ってでもと、ダメもとで岩切に相談するも「今度こそ船だな」の一点張りだった。
しかしバカにされたことを口にすると・・・
「舎弟のおまえを馬鹿にしたちゅうことは、わしを馬鹿にしたちゅうことやの」
Iターンp184
数日後、西尾に呼ばれワゴン車に乗ると瀬戸川を拉致した岩切の姿があった。
岩切は森に入り瀬戸川ともう一人の男を並べ、目の前でもう一人の男を射殺した。
次はお前やという言葉に瀬戸川は何でもすると許しを請う。
後にもう一人の男は牛窪で狂言であったことが分かる。
翌日、狛江は東亜銀行の仕事も請け負うことに成功したのだ。
仕事で東亜銀行に行くと瀬戸川も最後の抵抗を見せる・・・
「いまのところはあんたらのいいなりになっておくけどね。
銀行だって、表の顔ばかりじゃないよ。」Iターンp208
竜崎の策略で岩切を裏切ることに・・・
狛江は、当番にもなれ二重生活が板についてきたところで伊丹から釘を刺される。
「利口じゃなれず、馬鹿でもなれず、中途半端じゃなおなれず、っていうてな。
この稼業は甘くないで。はよ当番なんか辞めてくれや。」
Iターンp215
もう自分が一般人ではないと気が付いた狛江は突然怖くなった・・・
土屋からの最初のキックバックを受け取り岩切に渡そうとしたがまとめてもってこいと言われ多少は使うことにした。
その夜に仕事をとれた祝いで3人で飲みに行き、帰りにキャッチの声に釣られて飲み屋に入る。
普通のスナックだったが、突如として睡魔が襲い眠ってしまった。
起きると会計が10万円であり、ただのぼったくりバーだと思って鞄の中からお金を探したが現金がなくなっていた。
店員と揉め始めてすぐにパンチパーマの警察が現れ逮捕だと言い出す。
その直後に竜崎も現れ逮捕されたくなかったらスパイになれと脅してきたのだ。
警察と竜崎がつながっていたことが分かり協力することを約束してしまう・・・
竜崎が狙うのは岩切組の失脚のみ
当番の日に組が面倒を見ている店からチンピラが来たと連絡が入り、桜井と狛江は2人で店に向かう。
駆けつけると店長は既にボコボコにされていた。
桜井が喧嘩を始め相手と揉みあい拳銃で相手を撃ってしまう。
チンピラが仲間を呼びに行ったため、どさくさに紛れ狛江は逃げ出してしまった。
桜井に言われた通り岩切に連絡し助けを求めたが、岩切が到着したころにはチンピラも桜井も姿がなかった。
岩切と狛江はまた2人で竜崎の元に向かうが仲裁に入った手下が桜井に殺されたの一点張りで証拠はなく水掛け論になる。
しかし藤堂が桜井が殺した男のケジメはつけないといけないと岩切に自首するように求める。
そしてあろうことか竜崎は狛江がスパイであることもバラしたのだ。
店を出た後に岩切殴られ殺されそうになったところで西尾が警察がいるからと止めに入る。
その後、桜井を人質に取られた岩切は自首し、西尾から狛江さんは元の生活に戻ってくださいと言われヤクザとの関係を断ち切ることになる。
岩切救出大作戦!!
普段の生活に戻ることが出来る狛江は喜びを味わえるはずだったが、さみしさの方が強かった。
会社では都合の悪いことは下の者のせいにして上の人が得するようにできているが、暴力団の岩切が下の者のケジメとして自首したのだ。
どっちが暴力団なのか分かったものではないと考え始める。
その思いに駆られて組事務所に向かうと桜井は竜崎の目を盗んで逃げだしてきたことが分かる。
しかしその情報を岩切に伝えることが出来ず困っていた。
このまま岩切がつかまり破門になれば岩切組の解体は時間の問題なのだ。
そこで狛江は岩切が毎日新聞を隅から隅まで読む癖を遣い広告で岩切に暗号を送る計画を実行した。
その新聞を読んだ岩切は自供をを辞め釈放されるのを待っていた。
しかし十日間の勾留が許されているため次の幹部会議に間に合わず組が解体されてしまうと言うのだ。
西尾は狛江にパンチパーマの刑事である城島を呼び出すように指示する。
その城島にC4と呼ばれる爆弾を仕込み勾留せずに釈放することを求めるとあっさり快諾する。
ヤクザも会社も最終決戦!!
朝起きると岩切の姿がそこにはあった。
またしても竜崎のところにカチコミに行くと言われ協力する。
岩切の実力も相当だったが、竜崎が拳銃を持ち出したことで形勢逆転する。
血走った眼は本気の目で終わりかと思ったとたんに巨大トレーラーが竜崎の事務所を破壊した。
田中圭君は頑張ってほしいです。
カチコミを終え2人でラーメンをすすった後会社に行くと高峰の姿があった。
広告記事に乗せた暗号は誤植になるため丸紅からクレームが入りクビを宣告しに来たのだ。
狛江は勝手にしろというが、部下の2人もクビにするという言葉で話が変わった。
頭を下げて取り消しを求めたが高峰は決定事項だと言い張る。
「おれの部下を首にするのは、おれが許さんッ」
Iターンp329
そういって高峰を殴っていた。
ここまでやった狛江だったが、ヤクザの一件では警察の城島にあんな真似をして岩切が破門され組が解体になるかもしれない。
そして会社ではクビはもちろん傷害事件で警察に捕まるかもしれないという状況に陥る。
まさかの結末!?
どん底にいる狛江に入ったのは朗報だった。
竜崎へのカチコミ時に奪ったパソコンにはドラゴンファイナンスが東亜銀行の取引している証拠と他の組との裏取引が入っており圧力をかけているらしい。
東亜銀行の大物はヤクザとの取引をマスコミに知られるわけにはいかず事件の揉み消しを図っているようだった。
東亜銀行と藤堂は竜崎に見切りをつけ岩切にすり寄ってきている状態となったのだ。
会社でも部下の2人は狛江のパンチに感銘を受け首を受け入れていた。
そこに人事部からのファックスが送られてきた。
そこには狛江を本社営業部統括課長に命ずと書かれており再びの栄転が決まった。
部下の2人も博多支店へ移動になりクビは免れたのだ。
東亜銀行の上層部から人事にまでストップがかかったらしいのだ・・・
「上の連中は、どこかでつんがってるんだろ。おかげで、俺は社長から怒られたよ。そういう社員がいるのは問題だが、うかつに刺激するなって。」
Iターンp337
ここからまた始まる?
西尾はこの件で組内にいる本当のスパイを探していた。
岩切からスナックへくるように呼び出されいくと伊丹と牛窪の姿もあった。
牛窪は眠らされどこかへ連れて行かれてしまった。そう奴がスパイだったのだ。
そして伊丹は竜崎を始末し警察に出頭する前だったのだ・・・
狛江はこの世界の恐ろしさを改めて感じた。
そして岩切は舎弟になる際に交わしたリシャールヘネシーという酒のボトルをテーブルに黙って叩きつけ帰って行った。
狛江が転勤になる際には西尾と土屋が支店まで選別を届けてくれた。
そして部下の二人は新幹線まで見送りに来てくれた。
そうして新幹線の席に着くと隣には岩切がいた。
「東京でもシノギを見つけたろうと思うての」
Iターンp349

読書感想!!
福澤先生はこの小説を書いた理由として
「悪と正義のどちらを選ぶか、自らを生きる道へと導くか、それとも自らを破滅の道に追い込むのかという、ある意味究極の選択を迫られた時に平凡なサラリーマンはどんな動きをするのだろうかというのに興味を持ったから」
と述べているそうです・・・
こんなサラリーマンいね~よ笑
途中からは死がかかったから仕方なかったかもですけど
正直、ぶっ飛びすぎてどこから突っ込んでいけばいいのかって話ですが、
転落人生の話をどこかコミカルに表現しているのでサクサクと読み進められます。
ヤクザがらみの話ですが、小説中で出てくる
「会社って、みんなで協力しあうために、いろんな人材が集まってるんじゃないんすか。その責任によって役職を分担して、利益をわかちあうんじゃないんすか」
「都合の悪いことは、みんな下っ端のせいにして、給料やボーナスを削ったり、リストラしたり、上の人間が金を取り込むためにあるんすか」
のセリフは誰もが共感できるところではないでしょうか??
狛江が小説の最初で部下2人と自分がクビになると言われていたらどうしていたんだろう?って考えるとこの物語の意味が凄く分かります。
ラストは岩切は見送りに来ないチャンチャンでもよかった気がしますが・・・
トータルで面白かったですが小説よりもドラマ向きの話っぽいですね。
キャスティングを見てもコメディー色を強めに押し出していく感じが出ているので期待です!!
2019年6月6日には続編も発売されました!!