わたし、定時で帰ります』を読んだので感想を書きたいと思います。

2019年春にはドラマ化も決まっているということで、注目度も増しているので先取りしていきましょう~

 

一言でこの本を表現すると働き方改革が叫ばれる中で制度だけが整うように動いているけど、人の心はついてきてる?って感じの本だと思いました。

つまりいくら制度を整えようとも今の働き方を変えるのは”あなた”ですよってことです。

 

そのへんのことも踏まえて感想を書いていくのでじっくりと読んで言って下さい!!

読んでほしい人
  • 働き方に疑問を感じている人
  • 出世命で邁進している人
  • 将来、社会人として活躍する若者
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【書評】『わたし、定時で帰ります』の感想!!


まず、この本の感想を書く私ですが、今では珍しく上昇志向の塊で出世が命でした。

成績・数字を追うことが趣味と言っても過言ではなく上司への媚を売ることも本当に試行錯誤しながらやってました笑

 

しかし

なんかこの会社で出世してどうなるんだ?井の中の蛙じゃね?とか考えるようになって働き方を変えようと退社。

企業戦士時代の私は、登場人物で言えば若い時の種田晃太郎から優しさをとった感じの最低な奴です・・・

いまでは出世に興味は薄くなりましたが、それでも野心だけは超一流というちょっと困った男です笑

 

私のように出世に興味がある人もない人も、優しく見守って頂いて、本当にそうなの?って思って少しでもこの作品に興味を持って頂けると幸いです。

登場人物の基本情報を整理!!

  • 東山結衣:定時で帰ると豪語するヒロイン。プロジェクトのチーフになり残業の世界に迷い込んでいく事に・・・
  • 種田晃太郎:仕事命の結衣の元婚約者。仕事でも責任感が強く自信も持っている。福永に恩義を感じている。
  • 福永清次:前職はブラック企業の社長。キメ台詞は「精神は肉体を超える」
  • 諏訪巧:結衣の婚約者。仕事が忙しくなった結衣をフォローすることなく浮気する。
  • 来栖泰斗:デキる新入社員で結衣のことを慕っている。
  • 吾妻徹:仕事が出来ない男で周りからの空気に敏感な会社に住む男
  • 三谷佳菜子:風邪でも出社する皆勤賞の女。結衣には負けたくない
  • 賤ヶ岳八重:結衣の元教育係。子どもの出産をキッカケに役員を目指し始める。
  • 愁:晃太郎の弟で引きこもり。それでも一歩踏み出そうとしている。

3分で分かる『わたし、定時で帰ります。」ネタバレあらすじ

この本は各章ごとに一人一人の問題に結衣が立ち上がるので簡単にまとめてみました。

第1章 皆勤賞の女

対象:三谷佳菜子

三谷は風邪をひいても出社することが大事だと思っており、学生時代も皆勤賞を守り続けていた。。

「過労死」が叫ばれるなか結衣は父の遺影(嘘)を持ってきて帰るように促す。

真面目しか取り柄がないという三谷に対してもっといい美点がある。死んで花実が咲くものかと説得し改心させる。

第2章 スーパーワーキングマザー

対象:賤ヶ岳八重

賤ヶ岳は子供の出産をキッカケに役員を目指すようになる。

会社における「男女差別」は未だに残っており役員に入る女性は男性よりも少ない現状に怒りを覚えている。

子どもが熱で倒れた時に旦那に任せ仕事を選択する賤ヶ岳をみて、結衣は、、、

「一人でお湯も沸かせないような昭和の男の真似して、どうするんですか?今は平成ですよ?もうすぐ平成でもなくなるんですよ?内助の功だなんて時代遅れなこと、ドヤ顔で語られても、こっちはドン引きです。そりゃあ、家のことも何もしなくていいなら良い成果が出せるでしょうよ。でも、そんなのは普通ですよ。並ですよ。」という。

どんなに家庭に時間を割こうとも役員になれるぐらいの意気込みを見せろと説き、賤ヶ岳を改心させる。

第3章 会社に住む男

対象:吾妻徹

吾妻は30代ながらも自他ともに認める仕事の出来ない男です。

しかし仕事が出来ないと思われたくないという理由からみんなが働いている会社にいたくないといい午前は半休をとり午後出社し始発で帰る男でした。

膨大なタスクを抱えている訳ではないが全く仕事をこなせない。

その理由は集中力の無さにあると結衣は考え、細かな目標設定をたてさせ改善させようとします。

しかしこれまでの2人の様にすぐ受け入れてもらえることは無く改心させることは出来なかった。

第4章 期待の新人

対象:来栖泰斗

仕事が出来る来栖だったが期待されてはいないと感じていた。

結衣が晃太郎を頼っているのを見て、結局会社では晃太郎の様な人間が求められると思い残業を始める。

そんな時に晃太郎の弟である愁と会うことになる。自身が会社からのプレッシャーで夜も眠れないと思っていたころ晃太郎の一言でどん底に落ちてしまったことを明かす。

そんな時に仕事観が全く違う結衣を見て救われたという。

来栖は晃太郎を目指すことは止め、自分の生き方を取り戻す。

第5章 仕事が大好きな人

対象:種田晃太郎

仕事にとりつかれたかのように作業をこなす晃太郎。

仕事が出来て後輩からも頼られる男であったが、結衣が私との結婚と仕事どっちが大事?と質問すると迷わず仕事と答える男だった。

ギリギリの状態の仕事を達成した時の高揚感にとりつかれ夢中で仕事に没頭する。

それでも彼は残業なしの会社に転職するなど変わろうとしていた。

 

しかし晃太郎は自分の考えが体に染みつき抜け出せなくなっていた。

結衣も残業をし晃太郎と同じような世界を体感する、そして晃太郎と同じように倒れてしまう。

仕事を忘れて結衣を助ける晃太郎は戻ってきたのか分からない。

 

それでも結衣は「会社に戻らなくても平気なの?」と尋ねると、

晃太郎は「どうせ、もうすぐ定時だ。」と締めくくっている。

定時で帰ることは果たして正しいのか?

この作品では主人公が定時で帰るという信念を持っているのでそもそも残業が悪という固定概念を抱いてしまいがちになります。

しかしそもそも残業とは定時で終わらなかった仕事をする時間である。

 

仕事与えすぎちゃってごめんね。残業で何とかしてねっていう延長戦である。

確かに残業しないと終わらないような仕事量を要求し定時で帰ることが罪のような会社や世間は問題外です。

 

しかし小説の中で晃太郎がこんなセリフを言っています。

「会社は仕事ができるようになりたいと思うヤツばかりじゃない。自分の生産性には改善の余地があるということから、目をそらしていたい奴らのほうがずっと多い。そういう奴らに変われと言っても無理だ。無駄な努力だ。」

その仕事を定時で終わらせようと努力したのか?

もっと効率よく仕事が出来るように仕組みを疑ったりしたか?

ただ仕事量多く、そんな仕事を与えてくる会社が悪いという社会人も同様に問題外ではないだろうか?

 

この本を読んで定時に帰ること正義だと、只々思ってしまう人が多くいるのではないかと思うと心配になりました。

それでも言いたい"変わるんだ”と。

この小説で悪がいるとすれば福永だけである。

ちょっと厳しいことを言ってしまいましたが、だから仕事に命かけろって言ってるわけじゃないんです。

私は仕事なんて人生を充実させるための道具の一つとしか思っていません。

 

極論を言えば幸せだと思うなら仕事をしなくてもいいです。

それでも生きていかなければいけなかったり。何かを達成したいと思って仕事をしているのではないでしょうか?

 

小説の中でも良い言葉が使われています。

「会社だけの人間になるな。人生を楽しめ。色んな人に会え。世界を広げろ。そういう積み重ねが良い仕事をつくる。」

働いた先に”幸せ”が待っているかを考えて仕事をすればいいのです。

登場人物で出世を願う三谷佳・賤ヶ岳も、仕事ができない吾妻も、仕事中毒の晃太郎も幸せであれば全員正解です。

もちろんプライベートを重視する結衣も正解です。

 

働き方は人それぞれ違いますし、ペースや考え方は変わってくるので

あなたの働き方を見つけることが最重要でしょう!!

 

制度が変わっただけでは何も変わらない

今日本政府含めて働き方の改革が進んでいっていますよね。

しかし、いや~働きやすくなったな~と肌で感じている人は少ないのではないでしょうか?

 

この小説でも苦しむ結衣のチームを見て社長はあらゆることをしてくれます。

「有給完全奨励制度。育休は最大で三年。君たちのチームの惨状を人事部に訴えられ、カードリーダーまで導入した。残業を厳しく管理している。必要な制度は全て整えたといっていい。」
・・・

でも、それで君のチームは救われたか?いや、何も変わらない。」

制度がいくら整っても現場の人間が変わらなければ何も変わらないのです。

あなた自身が働き方改革を行わなければいけないのです。

変化を恐れるな

最後は言葉で書けば簡単ですが実行するのは非常に難しいです。

もし今職場で悩んでいる人がいるのであれば逃げる勇気も必要だと思います。

 

この小説では『孤独』が最大の問題だと結衣が言います。

あなたの存在価値はその会社のそのコミュニティーにしか存在しないのでしょうか?

断じてそんなことはないです。

世界は広いです。必ず本当のあなたを必要としてくれる会社があるはずです。

本当に辛いなら転職という変化もトライしてみる価値はありますよ。

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【書評】『わたし、定時で帰ります』の感想!!まとめ

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

今仕事の悩みを抱えている全ての人に手に取って頂きたい内容になっています。

あなたが目指す幸せに近づく一歩としてお役に立つことを願っています。

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